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『さらざんまい』第2話の感想・ネタバレ考察!カッパとカワウソの紅白歌合戦が開幕!意味深な歌詞の意味を考えてみる。

カワウーッソイヤァー!!

新星玲央阿久津真武の警察2人が歌って踊る、第1話以上に奇妙な第2話でしたね……(笑)。宝塚的なスポットライトを当てる演出から始まり、ソイヤァ! ソイヤァ! と祭りの音頭が鳴り響く。幾原演出、ここに極まれり!といったところでしょうか。

歌詞もさることながら、背景のイメージもなかなかに意味深でしたね。今回の記事では、その辺りのことを中心に、川嘘交番の2人の目的を考察してみようと思います。

『さらざんまい』の「カワウソイヤァ」と「さらざんまいのうた」のジャケット画像
©イクニラッパー/シリコマンダーズ

『少女革命ウテナ』の階段や、『輪るピングドラム』の「生存戦略!」のシーンなど、幾原監督はバンクシーンを多用することでもお馴染みですが、『さらざんまい』第2話でもバンクシーンは使われていました。

ネコゾンビを退治するために、一稀たちは欲望フィールドに向かいます。ここから一連の流れは、ほぼ第1話と同じでした。

  1. 欲望搾取で、一稀たちの尻子玉が抜かれる。
  2. 人力車に乗った一稀たちを、ケッピが運んでいく。
  3. 「さらざんまいのうた」を歌いながら、一稀たちはカパゾンビと闘う。
  4. カパゾンビの背後に回って、「サラっと」とポーズを決める。
  5. カパゾンビから尻子玉を抜く。
  6. 「さらざんまい」で、ケッピに尻子玉を転送する。

これらは今後も繰り返される流れだと考えられます。とはいえ、不思議なのが、同じシーンを使っていながらも、なぜか面白いと思ってしまうところ。幾原監督のバンクシーンは、どの作品でも癖になる独特な魅力があります。

バンクシーンと一緒に毎回同じ音楽を流す点も特徴的ですよね。『少女革命ウテナ』なら「絶対運命黙示録」が流れますし、『輪るピングドラム』なら「Rock Over Japan」を聴くことになります。幾原監督のバンクシーンには、独特な耳に残る音楽が欠かせません。

『さらざんまい』でもその点は見事に踏襲されていました。

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『輪るピングドラム』の「生存戦略!」という印象的なワードのような形で「さらざんまい!」というワードが使われ、水の上でポーズをとりながら滑る一稀たちの姿は、まるで『ユーリ!!! on ICE』のフィギュアスケートを観ているかのようで、おかしいのに美しい。

第2話も、相当にいろんな魅力を詰め込んだ素晴らしいものでした!

 

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『さらざんまい』第2話「つながりたいけど、奪いたい」のあらすじ

ハコゾンビを退治した、矢逆一稀、久慈悠、陣内燕太の3人は、お礼にケッピから願い事が叶う「金の皿」を受け取る。カパゾンビを倒すことで、金の皿が手に入ると分かった一稀たち3人は、自身の願望を実現するために、カパゾンビを今後も退治することを決意。

一稀は、弟の矢逆春河(通称:春かっぱ)を喜ばせるために、毎日、吾妻サラのコスプレをし、その自撮り写真を春河に送っていた。今日のラッキー自撮りの「ネコ」を求めて、吾妻サラに扮した一稀は街でネコを探し回る。

同じころ、地域ネコのニャンタローは、偶然、久慈悠の部屋に紛れ込み、悠が麻薬と思しき何かを詰め込んでいた袋を咥えて、どこかへ行ってしまう。ニャンタローを追いかける悠は、一稀と遭遇。2人は、まるでカップルのようにニャンタローを追いかけることになる。

そのころ街では、大量のネコが飛んで行ってしまう事件が発生。カパゾンビが現れたことを察知したケッピは、3人にカパゾンビの退治を要請する。3人は尻子玉を抜かれ、ネコゾンビと闘い、退治に成功。

闘いを終えた一稀はニャンタローを捕まえて、自撮り写真を撮り、春河に送信する。疲れ果てた一稀が寝ている隙に、燕太は一稀に口づけを――。

 

以上が、『さらざんまい』第2話のあらすじです。

いやはや、燕太が一稀にキスしたのには驚きました。そういえば、2人はサッカーの「ゴールデンコンビ」だったんですよね。なるほど、燕太はそのころから友情以上の何かを一稀に抱いていたわけですね。

不思議なのは、男同士の口づけなのに、なんの違和感もなく見られたところ。私はBLの教養がないので、あまりそちらの文化は分からないのですが、なぜか2人のキスは普通に美しいものとして見ることができました。

たぶん、それは一稀が女装していたからでしょうね。だから、視覚的には男女の接吻に見えて、違和感を覚えなかったのかもしれません。一稀と悠の疑似デートに関しても仕組みは同じ。一稀が女装しているため、見かけ上は男女のデートに見えますし、なにより一稀が可愛すぎる。顔はもちろんなんですが、手が女子になってるんですよ。

女性の手悠と手をつないでいるシーンでも、一稀の爪は悠よりも小さく、そして光沢があるように描かれています。おそらく一稀は、吾妻サラになり切るためにネイルを施しているのでしょう。こういう細部に至るまで、一稀は徹底的に女子として描かれています。圧倒的な一稀の女子力に翻弄された第2話でしたね……(笑)

『さらざんまい』第2話の考察① 『カワウソイヤァ』の歌詞と背景を分析!新星玲央と阿久津真武の目的とは?

第2話で明らかになるのは、欲望フィールドに現れるカパゾンビは、川嘘交番の2人が欲望を搾取することで、呼び出していたということ。第2話では、ネコをさらってその毛皮を剥いでいた男、猫山毛吉がネコゾンビとして現れるわけですが、そこには新星玲央と阿久津真武が大きく関係しているようです。

・「そいつは俺らがやったのさ」

・「それは昨日のことなのさ」

(引用:『さらざんまい』第2話より)

と、仰々しく宣言していましたからね。猫山毛吉は変死体として発見されていますから、彼らが殺したということなのでしょうか?この辺りはまだはっきりしませんが、カパゾンビの出現に彼らが関与していることは間違いないでしょう。

そして面白いことに、川嘘交番の2人はスカイツリーに入り浸っているようなのです。やはり、第1話で予想した通り、スカイツリーは物語の中核になってきそうですね。なにせ、「欲望」と「つながり」の両方をスカイツリーは具現化しているわけですから。スカイツリーが表す意味については、前回の記事をご覧ください!

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『カワウソイヤァ』を歌っている時の背景にも、スカイツリーが登場していました。カワウソのポーズをしながら歌うあの奇妙奇天烈な歌です。では、ここからは『カワウソイヤァ』の歌詞と背景の意味について見ていきましょう。

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警察署にいたはずの2人がなぜか、ソイヤァ! ソイヤァ!と音頭を取りながら、スカイツリーの内部で踊っている場面。次々と運ばれてくる箱にカワウソのマークが押され、箱の1つが、何やら楕円形の器にしぶきを上げながら落ちていきます。

前回の考察でも紹介したように、箱=欲望です。つまり、運ばれているのは人々の欲望ということになります。その欲望が今度は、楕円形の何かに落ちていきます。おそらくは、あの中に人々の欲望が蓄積されているのでしょう。

あらゆる欲望が集積した巨大な「尻子玉」と考えてもいいかもしれません。ほら、『さらざんまい』のオープニングに、スカイツリーの横で吠えているクマのような大きな生物が描かれていましたよね。

もしかすると、あれはスカイツリーで作られている巨大な尻子玉を抱えたカパゾンビなのかもしれません。おそらく欲望はどんどん溜められていきますから、シリーズの後半には、その欲望を内に秘めた怪物が登場する可能性も考えられます。

これらのことを踏まえて、以下の歌詞を見てください。

「我らが獲たもの ふたつの運命」

「我らは似たもの ひとつの生命」

(引用:TVアニメ『さらざんまい』劇中歌「カワウソイヤァ」PVより)

 まず「ふたつの運命」が指し示すのは、「欲望」と「」だと推測されます。第1話のラスト、2人は「欲望か、愛か」と語っていました。

ここで思い出していただきたいのが、「欲望搾取!」と言ってカワウソマークの大きな太鼓が出てくるシーン。彼らが「欲望か」と言った時には、太鼓に「3匹のカワウソ」が描かれています。一方、「愛か」と言った時は、「巨大な1匹のカワウソ」になっています。

おそらくですが、「欲望か」の3匹は個々がバラバラになっている状態を表していると考えられます。逆に「愛か」の1匹は、バラバラだった何かが集約されて巨大な存在になっていることを表現しているのではないでしょうか。

上記の「カワウソイヤァ」の歌詞に、「我らは似たもの ひとつの生命」とあります。これらを総合して考えると、無数の欲望をつなぎ合わせることで、ひとつの巨大な愛を実現しようとしているのかもしれません

事実、新星玲央が「急ごう。未来は欲望をつなぐものだけが手にできる」と語っています。

しかも、それを語っていたのはスカイツリーのなかです。このスカイツリーという場所が非常に重要。というのも、前回の考察でもお話した通りスカイツリーは「欲望」と「つながり」の象徴。先ほどの新星のセリフと、スカイツリーの記号的な意味は被るわけです

ジョイパレット 1/1000 東京スカイツリー

 

ジョイパレット 1/1000 東京スカイツリー

ジョイパレット 1/1000 東京スカイツリー

 

さらに言えば、スカイツリーは電波塔です。電波で何かと何かを「つなぐ」のが、スカイツリーの役割。最終的に彼らが何を企んでいるのかは分かりませんが、電波塔を使って欲望をつなごうとしている可能性が高いと言えます

劇中でも、春河の携帯にチラッとカワウソのマークが表示されていましたよね。あれは、スカイツリーから発信されている電波を受信しているものと推測できます。今後、その電波が強まっていけば、一稀や街中の人たちの携帯にも同様のマークが出てきて、パニック状態に陥ることも考えられます。

ここで押さえておいて欲しいのが、新星玲央と阿久津真武が警官であるという点です。警官は、街の治安を維持するのが仕事。となれば、欲望をつなぐという行為も、治安維持に関係するはずです

確かに、よく考えれば、欲望をつなぐことで、犯罪率を減らすことができるかもしれません。そもそも、なぜ、犯罪が起こるのかと言えば、個々人がそれぞれに何かしらの欲望を持っているからです。個々人の欲望が異なるから、互いに対立したり、自分勝手な行動で相手を悩ませたりする。

しかし、この欲望をくっつけてしまったらどうなるでしょうか?

欲望をつなぐことができれば、欲望が1つにまとまります。1つにまとまれば、互いに対立することもなくなります。なにせ、対立する相手が存在しないのですから。そうすれば、犯罪など起こるはずもありません。犯罪を裁く人間も、裁かれる人間も1つになってしまうのですから。

こうすれば、犯罪率が下がるどころか、犯罪という概念自体が消えます。安心安全な街が実現されるわけです。

ですが、それは同時に、それぞれの人間性がなくなることを意味します。だからこそ、「手放すな、欲望は君の命だ」というキャッチコピーなのかもしれません。欲望は個々人を個々人として成立させるために必要なものなのです

欲望がなくなると、意志を持たない腑抜けになってしまう、この辺りが作品全体のテーマになってきそうな気がしますね。

『さらざんまい』第2話の考察② キャラ同士のカップリングが判明!

第2話の時点で、誰が誰のことをどう思っているのか、だいたい明確になりましたね。『さらざんまい』はカップリングで回していくタイプの話になりそうな気がします。新星玲央と阿久津真武のような感じで、カップルを用意して話を展開していくのでしょう。

ただし、ポイントになるのはメインキャラはみな、片思いであるという点です。

基本的には以下のような関係性になっているはずです。

「→」の方向に片思いを持っているとお考え下さい。

  • 矢逆一稀→矢逆春河
  • 久慈悠→久慈誓
  • 陣内燕太→矢逆一稀
  • 矢逆春河→吾妻サラ

今のところ分かっているのは、この辺りの関係性ですよね。こう考えてみると、やはり新星玲央と阿久津真武は異質なカップルと言えます。新星玲央と阿久津真武だけが、相思相愛なのですから。ほとんど一心同体と言ってもよいかもしれません。

ほかのキャラクターの場合はつながりたいのに、つながれないという葛藤を抱えています。彼らの葛藤がどのように解消されていくのかが、今後の見所ですね。

「さらざんまい」をすると、意識が共有されてしまうので、そう遠くないうちに、互いの気持ちが明らかになっていくような気もしますが……本当の気持ちを共有したうえで、つながりを保てるか、この辺りも重要なポイントになってくるかもしれません。関係性の変化に注目です!

『さらざんまい』第2話の感想・ネタバレ考察のまとめ

はい、ということで、今回は『さらざんまい』第2話の感想と考察を書いてみました。では最後に、簡単に今回の考察で分かったことをまとめておきましょう。

  • 新星玲央と阿久津真武の目的は、あらゆる人間の欲望をつなぎ、巨大な尻子玉を作ることなのではないか?
  • メインキャラはみな、つながりたいのに、つながれない葛藤を抱えている。

ちなみに、欲望フィールドでケッピが人力車を引くシーンも、個人的には見所だと思っています。人力車が横切る店のシャッターに、物語を理解するためのヒントが書かれているからです。

第2話では「さらざんまいは、意識共有」、「さらざんまいには、リスクがつきもの」と書かれていました。視聴者が「?」と思っている部分の解答を示してくれているわけです。今後も、シャッターに現れるメッセージは見逃せませんね。


「さらざんまい」予告| 第三皿

 

結局、今回の記事も6,000字近い文字数になってしまいました。いやぁ、『さらざんまい』は、ふざけたふりをしながら、本質的なものを描こうとしているので、ある程度しっかり感想を書こうとすると、それなりの文字数になってしまうのですよ。ま、楽しいからいいんですけどね(笑)

では、今回はこの辺でお開きにしましょう。

それでは、次回のレビューまで、さようなら~~(^^)/

 

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『さらざんまい』の各話の考察記事については、以下からご覧いただけます。

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