あ、はじめまして!
初のブログ記事であります!
このブログでは好きな作品をとにかく楽しく紹介します。私自身、作家を目指していろいろ活動している人間ですので、作品をレビューし備忘録としてこのブログを活用しようかなと思っております。
さて、一昨日ですよ、一昨日「劇場版 のんのんびより ばけーしょん」を観に行ったんですよ!
「ばけーしょん」でも何でもない平日の夕方に暇人の私は、角川シネマ新宿に行ってきたわけですよ。
向かう途中、スーツに身を包んだ高校時代の後輩に出くわし、「○○先輩久しぶりですね」とか言われながら、「あ、うん、おう」という会話にならない会話をして、劇場へ走ったわけですよ。はい。。。
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- 見破られたのんのんびより顔
- 狂言を吐かない狂言回し!たった一人の男キャラ越谷卓の大活躍
- 脚本家、吉田玲子の巧みな場面転換
- 「夏」と「海」がテーマだから、主役は「夏海」!
- 越谷夏海と新里あおいのウルルン滞在記
- 普段涙を流さないキャラだからこそ涙が光る!
- 「れんげ」→「夏海」→「れんげ」のサンドウィッチ
見破られたのんのんびより顔
あの……すいません。
内容とは無関係なんですけど、劇場についたら、チケット販売員の方に「のんのんびよりですね!」と言われたのだけれど、なぜ私がのんのんびよりを観ると分かったのだろうか?
そんなに「のんのんびより顔」をしていたのだろうか?
「にゃんぱすー」という小さい独り言が聞かれていたのだろうか?
いやはや、販売員さんのその洞察力には頭が下がった。ついでに自分の赤面を隠すためにも頭を下げた。。。
ちなみに、お客さんの割合ですが、男女半々といった感じでした。女子高生とかもいたりして、なかなか幅広い層に人気があるのだなと、映画が始まる前に、ちょっとした感涙があったりしました。
さて、余談はここまでにして、映画の内容について見ていきましょう。
田舎の小さな学校に通う生徒たちのゆるやかな日常を描いた漫画をアニメ化し、2013年にテレビシリーズ第1期、15年に第2期が放送された人気アニメ「のんのんびより」の劇場版。小学生の宮内れんげをはじめとした全校生徒わずか5人の旭丘分校に通う面々は、いつも一緒に四季折々の田舎生活を楽しんでいた。ある日、デパートの福引で特賞の沖縄への旅行券が当たったことから、夏休みを利用してみんなで沖縄に行くことになるのだが……。
と、まぁ、全体的なあらすじはこんな感じです。
テレビシリーズでおなじみの仲良し4人。
宮内れんげ(れんちゃん)、一条蛍(ほたるん)、越谷夏海(なっつん)、越谷小鞠(こまちゃん)が、沖縄旅行で新しい友達と出会い、楽しい夏休み最後の思い出を作る。
そんなお話です。そう!新しい友達ができるんですよ!ここが本作のポイントでね、そのお友達との関係がまぁ、見事に描かれているわけです。
その点を踏まえながら、ちょっと細かく感想をまとめますね!
狂言を吐かない狂言回し!たった一人の男キャラ越谷卓の大活躍
皆さんは、越谷卓という天才をご存知でしょうか?
テレビシリーズの時から、絶妙なタイミングでボケをかます。何か言おうとしたタイミングで、「言わせねーよ」とばかりに邪魔されてしまう男。
そう、のんのんびよりで唯一の男キャラ越谷卓兄さん!
今回も大大大活躍でしたよ~。もうねぇ、脚本の吉田玲子さんの、日常を描いた時のギャグセンスが光りまくってましたね。
今回の沖縄旅行を引き当てたのが、卓兄さんというところは最高でしたね。ターミネーターばりの荘厳な音楽とともに、みんなのもとへ福引券を持って帰る、あの演出はベリーグッドでござった。
普段は地味なキャラクターがこうやって、物語の転換点で活躍するというのは、非常に効果的な脚本術ですよね!この手法は盗ませてもらいます(笑)
女子だらけの中に1人だけ男がいるというハーレム状態なのに、全く「ハーレム羨ましい!」と思わせない辺りが吉田玲子さんのバランス感覚なのでしょう。すごいね~。
観客が話の展開にすこ~し飽き始めたタイミングで、卓兄さんか、ひかねぇを登場させて笑いを起こし、観客のテンションを再び持ち上げているわけです。巧みですね!
脚本家、吉田玲子の巧みな場面転換
吉田玲子さんの凄まじい脚本力を感じました。『たまこまーけっと』や『聲の形』など京都アニメーションの数々のヒット作に関わってきた吉田玲子さん。
『聲の形』でもそうだったんですが、場面転換がキレッキレでしたね。
『聲の形』では、少年時代の出来事を事細かく追うのではなく、わずか数分の間にシーンをパッパッと何回も切り替えて、短時間でどんなことが起こったのか観客が分かるようになっています。
これは今作にも思い切り生かされている手法で、例えば、福引が当たった後、みんなで沖縄に行く描写は、わずか数分で描かれています。セリフなしで、場面転換だけを素早く何度も行う。
これによって、一つひとつの場面に時間を割かないで、スピーディーに大事なシーンまで飛ぶことができるわけです。ほかにも、沖縄をみんなで散策しているシーンでは、この素早い場面転換で、れんちゃんたちが、どんなところを回ったのか、一瞬で分かるようになっています。
1時間~2時間しか尺がない映画において、可能な限り無駄なシーンをカットしながらも、どんなことが起こったのか話の経過を分からせるために、この手法は有効です。これはマネできそうですね!私も自分の作品に取り入れてみます!
「夏」と「海」がテーマだから、主役は「夏海」!
のんのんびよりをマンガで読んでいるあなたも、テレビシリーズで観ていたあなたも、あの4人の中にお気に入りのキャラがいたのではありませんか?さて、今回の主役は誰だったと思いますか?
にゃんぱすー!のれんちゃんでしょうか?答えはNOです。
小学生とは思えぬ色気!のほたるんでしょうか?答えはNOです。
「こまちゃん言うな!」が口癖のこまちゃんでしょうか?答えはNOです。
実はこの映画では、夏海、なっつんが主役なんです!
夏海と言えば、4人の中でなぜか人気が低いキャラですよね……。なんでだろう。私は結構好きですけどね。実際にアキバ総研の人気投票では、以下のような結果になっています。
1位 越谷小鞠 2311票
2位 一条蛍 762票
3位 宮内れんげ 561票
4位 加賀山楓 477票
5位 宮内ひかげ 446票
6位 越谷夏海 421票
ちょっと!主要キャラなのに、6位って……
まぁ、佐藤利奈が好きなのも分かるし、ひかねぇのギャグシーンが好きなのも分かる。けど、夏海がなぜ6位なんだ……。もしかすると、このあたりの人気をひっくり返すために、今回は夏海を主役に抜擢したのかもしれない。
「どうだ!夏海もいいだろ!」という作り手の叫びを感じてしまうのだ。
あと、今回の季節は「夏」なんですよ!しかも、今回はラストの感動的なシーンで沖縄の美しい「海」が出てきます。「夏」と「海」が出てくるんです!だから「夏海」が主役なのは当然なんですよ!というか、夏海の名前から話を作ったんじゃないかと思うくらい、今作は夏海を主軸にした話になっています。
越谷夏海と新里あおいのウルルン滞在記
今回登場する新しいキャラ。新里あおいという子ですが、この子は、夏海たちが泊まる民宿の娘さんです。民宿「にいざと」の看板娘で、礼儀正しく、しっかりものの女の子として描かれています。
しかも、あおいは、なんと中学1年生!夏海と同い年なんです!ここが、重要な点です。同じ中学1年生なのに、敬語をちゃんと使えたり、家の手伝いをしていたり、夏海とは真逆の女の子として描かれます。
あおい登場の当初から、小鞠は何度も「夏海と同い年とは思えない……」という形で、夏海とあおいを比べるようなことを言います。これによって、夏海は事あるごとに同い年の、あおいを意識するようになっていく。
そして、ある時、あおいが親に隠れて夜中にバドミントンの壁打ちをしている姿を、偶然、夏海は発見します。あおいが親に隠していた秘密を、夏海が目撃したことにより、
ここで「秘密の共有」が成立したわけですね!秘密を共有した2人は、「一緒にバドミントンしよう」と約束し、翌日バドミントンで対決するわけです。
この一連の流れが実に見事でした!夏海とあおいは同い年という共通項があるので、夏海があおいを気にする理由はきちんとあるし、「秘密の共有」によって自然と仲を深めることにも成功している。いやぁ、ものすごく練られた脚本ですね、これは……。
このように、仲良くなる描写を入れることで、最後の別れのシーンがものすごく切なくなっています。私の隣に座っていたオタクと思しき青年は泣いていましたが、まさに、それだけ完璧なストーリー運びだったんですよ。
出会いに必要なのは「共通性」と「憧れ性」ということですね。
互いの共通項を明らかにして、どちらかが憧れる図式にすれば、自然と交流が生まれる。
出会い→仲良くなり→別れる
この流れは、かつてのウルルン滞在記を思わせます。
素晴らしかった!
普段涙を流さないキャラだからこそ涙が光る!
夏海は活発でむこうみずな女の子。みんながしり込みすることでも、飛び込んでしまえる勢いの良さが魅力の1つです。そんな快活なキャラだからこそ、涙を流すと、観てるこっちはグッとくる。涙から縁遠い夏海の涙だからこそ光るのです!
最後のシーンも絶妙でした。「もう帰るよー」と言われても、夏海は窓の外を見ながら一歩も動かない。それを後ろから、れんちゃんが純粋な目で見つめている。みんなで騒いだシーンから、突如、静けさに包まれたシーンに移行することで、夏の終わりの寂しさと、別れの切なさがダブルパンチで襲ってくる。
そこで、夏海は泣き出してしまう。つられて、こちらも涙してしまう。。。
車に乗って帰るシーンでは、普通に車に乗ろうとする夏海をれんちゃんが止めます。
「なっつん!」
れんちゃんのこの言葉を受けて、夏海は、あおいに最後の挨拶をする。
別れ際、車中から笑顔で手を振る夏海。
涙をずっとこらえていたのであろう、夏海は窓の外を見ながら、鼻を少しだけすすります。この演出が見事でした。別れの悲しみをグッとこらえながらも、でも別れが悲しくて仕方がない、その葛藤を鼻を少しすするだけで表現しています。
これは、泣かずにはいられませんね。。。
「れんげ」→「夏海」→「れんげ」のサンドウィッチ
さて、最後に今作「劇場版 のんのんびより ばけーしょん」の構成を振り返ってみようと思います。見出しにもありますが、今作は「れんちゃん」→「夏海」→「れんちゃん」という流れで、主役が交代しながら話が進んでいきます。
最初は、れんちゃんが、家を「行ってきますなのん」と言って、出ていくところから始まり、最後も、れんちゃんが「ただいまなのん」と言って、帰ってくるところで終わります。
冒頭、れんちゃんが自然の中を走り抜けるシーンは音響、それから背景美術などなど、実に美しかった。
つまり、最初と最後、いつもの田舎が出てくるシーンはれんちゃん視点で話が進む、れんちゃんが主役の話になっているんです。しかし、沖縄に行ってからは、これが夏海視点に切り替わります。いつもの田舎はれんちゃんが主役で、夏と海のテーマが色濃く出てくる沖縄では夏海が主役になっているわけです。
れんちゃんが、夏海をサンドウィッチする形で主役が切り替わっている。
まさに、主役サンドウィッチ型だったわけですね!あ、これは今思いついた造語です。
と、まぁ、こんな感じで、初のブログ記事でした~~拍手~~
べつに大げさな話ではなく、本当にこの映画よかったですよ!
劇場にいたほとんどのオタクが泣いてたし、「よかった、よかった~」と言って、満足げにパンフレット買ってましたし。
私もなんだか、謎の頷きを何度もしてしまいましたよ(笑)
というかマンガ買って読んでみたくなってきましたよ、本当に。
今後もアニメやら映画やら小説やら、いろんなコンテンツについて感想を書いていきます。
もし、「○○ってアニメが最高!」とか、おすすめのコンテンツがあれば教えてください!
では、今回はこのくらいで!
またお会いしましょう!
にゃんぱすー
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