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『さらざんまい』第8話の感想・ネタバレ考察!白ケッピと黒ケッピが織りなす陰陽道と、久慈悠が辿る二者択一の人生

「嫌だ、燕太!燕太ーー!!」 

第7話を観たとき「おい、燕太なにやってんだよ」と思ってましたが、こうして一稀を庇う姿を見てしまうと、素直に責める気になれないですよね。作り手としても、そういった視聴者の感情を考慮してストーリーを組んでいるのでしょう。

一稀たちを裏切った燕太に対して、多くの視聴者は少なからず反感を持ったはずです。このままだと、燕太が活躍したところで、視聴者は燕太を認められない状態になってしまいます。

そこで、命の危機を演出することによって、裏切りに対する罰を与える必要があったわけです。罰を受けた姿を見れば、一度は「燕太、許せん」と思った視聴者も、燕太の行為を許せるようになるでしょう。つまり、第7話と第8話は、燕太の罪と罰の回だったわけです。

『さらざんまい』第8話の画像
©イクニラッパー/シリコマンダーズ

エンディング後、久慈悠が一稀からの電話に出るかどうか悩むシーンは、ヤキモキさせられましたね。皆さんはどうでしたか?「久慈、電話に出てくれ!」、「出るの?出ないの?どっちなの?」とハラハラした人も多いと思います。

視聴者の感情が高ぶっているタイミングで、カットバックを使っているため、視聴者は悠の行動が気になって仕方がなくなるようになっています。スマホの画面→悠の表情→スマホの画面→悠の表情の順番にカットを切り替えることで、悠が電話に出るかどうか迷っている気持ちを表現し、同時に視聴者をハラハラさせる効果を出すこともできるわけです。見事な演出だと思いました!

さて、では今回も黒ケッピだとか仁丹塔だとか、いろんな情報が出てきたので、その辺りのことを中心に考察していこうと思います。

『さらざんまい』第8話「つながりたいけど、もう会えない」のあらすじ

久慈誓と浅草の街を離れることになった久慈悠は、兄についていくか、仲間と街に残るか迷っていた。そのころ、街のゲームセンターで偶然出会う燕太と誓。燕太は誓の逃亡を手助けしながら、2人で街を歩き回る。誓から見せられた幼いころの悠の写真には、一稀がつけているミサンガが映っていた。燕太は初めて、一稀のミサンガは悠からもらったものだということに気づく。

そんななか、悠と誓が殺害した裏組織のボスの子分である安田ヤスが現れる。誓に復讐を果たそうとドスを持って向かってくるヤス。しかし、そのとき、その場を通りがかったレオとマブによってヤスは射殺される。

同じころ、吾妻サラとケッピは、レオとマブの動向について情報共有をしていた。吾妻サラの調べにより、黒ケッピなるものがレオとマブによって幽閉されていることが判明する。カワウソたちに対抗するため、吾妻サラが持ち出したのが「対カワウソ用秘密兵器」。ひょんなことから、兵器を操作していたケッピが兵器の中に放り込まれて、氷漬けにされてしまう。

誓と一緒に行動する燕太のもとに悠から連絡が入る。「俺は兄さんのために生きる。じゃあな」と言って電話を切る悠。

一稀は悠のために希望の皿を探し続けていたが、そこに悠から電話がかかる。「俺は残されたつながりを守らなきゃいけない」と言って電話を切る悠。

悠の本心に気づいた燕太は慌てて盗んだ希望の皿を、一稀のもとに持っていく。しかし、一稀は燕太のせいで悠がいなくなったのだと怒りをあらわにする。そこへ現れるレオとマブ。希望の皿を狙って現れたレオは一稀を撃とうとする。だが、咄嗟に燕太は一稀を庇って撃たれてしまう――。

『さらざんまい』第8話の考察① 仁丹塔と凌雲閣が示すカタストロフィ

今回、劇中に「仁丹塔*1 」に関するプレートが出てきました。この仁丹塔について、私も知らなかったので、少し調べてみました。どうやら、仁丹塔とは森下仁丹という医薬品製造会社が1932年に建てた広告塔のようです。

仁丹塔はある建造物に似せて建てられたと言われています。それが凌雲閣*2。凌雲閣は1890年竣工の展望塔。浅草公園に建てられたこの展望塔は日本初のエレベーターを設けるなど近代的な建造物としてひろく知られていたようです。

凌雲閣は、展望塔として見事な眺望だったものの、その下は娼婦の集まる場所だったとも言われています。光と闇を持つ塔とでも言えばいいですかね。1923年、凌雲閣は関東大震災の被害にあい一部が崩壊。建て直されることなく、同年中に凌雲閣は解体されます。

その9年後に建てられたのが、「仁丹塔」です。しかし、この仁丹塔も第二次世界大戦の戦局悪化にともなう金属回収の流れで解体されることになりました。その後再建されることにはなりますが、そちらも現在は解体され、姿を残してはいません。

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こうして見てみると「仁丹塔」と「凌雲閣」にはある共通点があることが分かります。それは、カタストロフィです。凌雲閣は関東大震災という大災害の影響を受けており、仁丹塔は第二次世界大戦という世界的な大事変の影響で解体されています。どちらも、解体の背後に何かしらのカタストロフィがあるのです

そういえば、第6話のエンディング後に、仁丹塔もしくは凌雲閣によく似た建物が出てきましたよね。カッパ王国襲撃の場面だったと思います。逃げ惑う市民と、吾妻橋と仁丹塔が描かれていました。

周囲は炎に飲み込まれ、まさにカタストロフィの様相を呈していました。こうした点からも、やはり仁丹塔や凌雲閣はカタストロフィを暗喩していると考えられます

仁丹塔や凌雲閣がなくなった現在、浅草に建っている塔と言えば、スカイツリーですよね。どうしてスカイツリーがあんなに何度も映されるのか不思議でならなかったのですが、スカイツリーはこれから起こるカタストロフィを暗喩している可能性があります。

そしてそれは、レオとマブが溜めている欲望と関係があるのでしょう。欲望を溜めて、オープニングにも出てくる、あの大怪獣を呼び出すことになるのかもしれません。どんなカタストロフィが待っているのか、今後の展開に期待が膨らみますね。

『さらざんまい』第8話の考察② 黒ケッピと白ケッピによる陰陽道

前回のラストにも登場した黒ケッピ。「ダダダダダークネス」という謎の言葉を放つ真黒なカッパ。ケッピとほとんど同じ姿をしていますが、色が正反対です。

さて、あれはいったいなんなのでしょうか?吾妻サラの話によると、レオとマブが黒ケッピを幽閉しているようですね。しかも、どうやら欲望タンクみたいなもののなかに入れられている感じです。

黒ケッピは「欲望」を増幅させる機能を持っているのかもしれません。第6話のラストでも「欲望が割れる!」とか言って、胸の辺りから黒ケッピが現れ、マブが襲われていました。やはり黒ケッピと欲望はセットだと言っていいでしょう。

白いほうのケッピ、ここでは白ケッピと言っておきましょう。白ケッピが希望の皿を生み出せるのだとしたら、黒ケッピも何かしらの能力を持っているはずです。希望とは反対の「絶望の皿」あるいは欲望に関係していることから「欲望の皿」とか、はっきりしませんが、黒ケッピにも何かしらの大きな力があるはずです。

それと、私が気になったのは、第6話のラスト、黒ケッピが登場するシーン。白い服を着た何やら王子っぽい人物のなかから黒ケッピが現れました。あの白い服を着た人の姿をよく見ると、いつもケッピが欲望搾取するとき、一瞬だけ等身が長くなると思うのですが、そのときの姿に似ているような気がするのです

カッパ王国襲撃のシーンでしたから、あの場面にカッパ王国第一王位継承者のケッピがいても何の不思議もありません。となると、白ケッピと黒ケッピはもともと1つの存在だった可能性が出てきます。ケッピのなかから、黒ケッピが出てきたと考えれば、もともと1つだったというのも、あり得る話だと思います。

まるで太極図のように、陰と陽の両方を内包した存在としてケッピを定義づけることができます。それが何らかの要因で、2つに分かれてしまい、現在の白ケッピは不完全な状態なのかもしれません。だから完全体になるべく、黒ケッピを探しているというのが実情なのではないでしょうか。

『さらざんまい』第8話の考察③ 二者択一を迫る世界で久慈悠は何を選ぶのか?

どうにも『さらざんまい』には、2つに分割するという考え方があるように思います。ケッピで言えば、白と黒。レオとマブの発言を参照すれば、欲望か愛か2つのうちどちらを選ぶべきかという考え方が支配しているように思います。そして、それは悠に関しても言える話です、悠は今回、兄か仲間か、どちらを選ぶべきかで悩まされます。結果的には兄を選ぶことになりましたけれど……。

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しかし、上記で述べた通り、白ケッピは黒ケッピを探しており、おそらく2人で1つの身体になることを望んでいるように見えます。陰と陽の両方を束ねようとしているわけです。

レオとマブのように、「欲望か、愛か」と、二者択一を迫るというより、ケッピの姿勢はどちらも重要という感じに見えます。白と黒、陰と陽、欲望と愛、そして兄と仲間。

どちらか一方を選択するのではなく、両方をつなぐ手立てがあるということを『さらざんまい』では語っていると考えることができます

それこそ、悠は常に二者択一を迫られる人生です。サッカーを取るか、兄を取るか。兄を取るか、仲間を取るか。何かを捨てなければ何かを守れないという思想が悠のなかにあるのでしょう。

確かに、それはそれで正しい。けれど、悠はまだ自分の本心を燕太や一稀に伝えていません。「本当はお前たちと一緒にいたい」と言葉にしていません。本心を隠している状況です。

かつての一稀のように段ボール箱のなかに自分の気持ちを押し込んでいるような感じ。悠が本心をさらけ出したとき、状況がどう変わるのか、その辺りも今後の見どころになってきそうな予感がします。

『さらざんまい』第8話の感想・ネタバレ考察のまとめ

それでは最後に、『さらざんまい』第8話で気づいたことを、まとめておきましょう。

  • 仁丹塔や凌雲閣はカタストロフィの象徴であり、現代の塔であるスカイツリーもまたカタストロフィを暗喩している
  • 黒ケッピと白ケッピは、もともと1つの存在だったのではないか?
  • 欲望か、愛か、仲間か兄か、二者択一を迫られる世界のなかで、どちらか一方を選ぶのではなく、両者をつなぐことこそが重要なのかもしれない

そういえば、エンディングの影が1つ減っていましたね。いつもは3つの影が並んでいるのですが、今回は2つの影しかありませんでした。いなくなったのは悠なのか、それとも撃たれた燕太なのか、いったいどちらなのでしょうか?

アバンでも2つの「ア」が左右にすれ違って回っていました。もしかすると、彼らの心のすれ違いを表現しているのかもしれません。1つの「ア」で、つながっていないわけですからね。

こういうすれ違っているときこそ、彼らの絆が試されるときです。第9話以降は、彼らのつながりが試されることでしょう。第9話はもう配信されているので、さっそく観てきます。そして、なるべく早く考察記事もアップするので、お楽しみに!


「さらざんまい」予告| 第九皿

『さらざんまい』各回の考察記事については、以下をご覧ください。

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