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『PSYCHO-PASS サイコパス 3』第6話の感想&考察!ミスリードの宝庫だった第5話~第6話の構造を徹底解剖!

『PSYCHO-PASS サイコパス 3』第6話の画像
©サイコパス製作委員会
カエサルの金貨

カエサルの金貨

  • メディア: Prime Video
 

みなさん、お久しぶりです!

忙しすぎて、なかなか更新できませんでした。すみませんでした。。。

 

さて、気持ちを切り替えて、今回も考察記事を書いていきます。第6話を観て改めて思いましたが、『PSYCHO-PASS サイコパス 3』は、やはり脚本の構造が面白いですね。

ということで、今回も話の構造を解剖して、どのように観客を驚かせているのか、その仕組みについて語ってみようと思います。

特に、今回はミスリードが実に巧みでしたので、ミスリードの手法について、細かく見ていきます。「なんで、騙されたんだ?」、「どうやったらミスリードできるの?」と疑問をお持ちなら、多少なりともヒントになると思います。ぜひご覧ください!

 

※この記事を少しでも面白いと思っていただけたら、シェアしていただけると嬉しいです!

『PSYCHO-PASS サイコパス 3』第6話「カエサルの金貨」のあらすじ


TVアニメ「PSYCHO-PASS サイコパス 3」ノンクレジットOP

唐之杜志恩の分析により、テレーザ・シノギ久利須=矜治・オブライエンが共同保有する倉庫の存在が明らかになる。慎導灼ひきいる刑事課一係のメンバーは当該倉庫の調査を開始する。結果、あと3名の爆弾犯が残っていることが分かり、同時に、ジョセフ・アウマとテレーザの繋がりも判明する。

アウマ上人の事件への関与が疑われる中、ニュータウンの工場で3件目の自爆事件が発生。アウマ上人は爆発の犠牲になり命を落とす。

現場の状況から推理し、灼は、アウマ上人が爆発現場近くにある廃屋を守ろうとしていたことに気づく。廃屋内には、アウマ上人が売春組織から助け出した人々の姿があった。売春の元締めをおこなっていた特区推進派が死んだことをきっかけに居場所を失った彼らを、アウマ上人は廃屋内で保護していたことが判明する。

灼は上司の霜月美佳に、被害者を保護できないかと、掛け合う。その結果、強制売春の被害者を一時保護し、出島でメンタルケアすることが決定する。

その後の調査で、アウマ上人の所持品として押収された時計が、アウマ上人以外にも配られていたことが分かった。出島の難民保護グループの記念品として作られた、その時計は、テレーザ、オブライエン、仁世元洋、アウマ上人の4名の手に渡っていた。時計のなかにはデータを保存したチップが組み込まれており、4人の時計に隠されたチップをすべて集めることで復元できるデータであることが判明。

廃屋から発見されたアサルトライフルのボルトと事件がどう関係するのか、手がかりを探すため、灼と入江一途はスラムのとある店を訪ね、ボルトに関する情報収集をおこなう。日本製の壊れやすい銃が流通しているとの噂を手に入れる2人。

国籍付与の見返りにテレーザが難民から押収した財産。その隠し場所が分からずにいた灼たち。だが、灼は通り過ぎるリースカーを見ながら、そこに手がかりがあるのではないかと考え、リースカーを調べ始める。リースカーから、大量のダイヤモンドが見つかり、テレーザがダイヤモンドを財産として没収し、それを元手に海外へ武器を流していたという疑いが出てくる。

捜査を進めるなか、テレーザから次の爆弾犯の犯行が知らされ、直後、施設内に爆弾を埋め込んだ犯人が現れる。灼たちは爆弾犯を無力化したあと、テレーザの居場所を逆探知。だが、踏み込んだときにはテレーザの姿はなく、代わりにオブライエンの息子・羽利須=生・フラナガンを発見。

徐々に真相に近づく灼たちだったが、その最中、軟禁していた国賓・ザハリアスが爆弾犯の自爆により死亡する。

5発すべての爆弾が爆発したことで、事件の共通項が浮上する。爆破事件によって、入国者が強いられてきた不当な扱いや犯罪行為が明るみになっていたのである。「犯罪の告発」それが、犯人の狙いだった。

こうして真相に辿り着く灼だったが、その一方、ヘブンズリープへ潜入した炯・ミハイル・イグナトフたちは、ホロによる変装がバレてしまい教団から拷問を受けていた。

同じころ、手術を終えた舞子・マイヤ・ストロンスカヤは、ヘブンズリープの信者によって病院から連れ出されようとしていた――。

『PSYCHO-PASS サイコパス 3』第6話の感想&考察① 「推進派」と「反対派」という二項対立によるミスリードがうまい

ミスリードの手法として興味深い点はいくつかありますが、最初に触れておきたいのが「推進派」と「反対派」という対立軸を使っている点です。

前回の第5話では、宗教特区設立に関して「推進派」と「反対派」が対立していることが明示されていました。推進派が全員死亡し、反対派が全員生き残ったことから考えて、反対派が怪しいという流れができましたよね。ビフロストでも宗教特区設立に関して、推進派、反対派の話題が出ていたと思います。このように、第5話の前半は、宗教特区設立にともなう「推進派」と「反対派」の対立が中心的に描かれていました。

これだけ宗教特区設立についての情報が増えると、視聴者もそちらに関心を向けざるを得なくなります。ですが、実際は、入国者への不正な薬物投与や、強制売春など、入国者への不当な差別や犯罪を世間に告発することが一連の事件の目的でした。

視聴者がこの真の目的に気づけないのは、序盤、宗教特区の話題が多く出され、推進派と反対派という対立軸に焦点が置かれていたためだと考えられます。単純な二項対立的な問題だと思わされたことにより、本当の目的から関心を逸らされてしまったわけです。

第6話のアウマ上人の死が意外だったのは、これまで推進派だけしか死んでこなかったのに、急に反対派であるアウマ上人が死んだから。「反対派は共犯関係で一枚岩」だと考えていた前提が覆ったわけです。その前提(あるいは、「思い込み」)を植え付けたのが、第5話だったと考えると腑に落ちます。

推進派と反対派の対立をベースに一連の事件の原因があるように見せて、本当の動機や反対派の内部問題に関心がいかないようミスリードしていたわけですね。

「AとBが対立していると思いきや、BのなかでB´とB’’が対立しているよ」みたいな展開になったと考えると分かりやすいかもしれません。

『PSYCHO-PASS サイコパス 3』第6話の感想&考察② 「容疑者グループ①」→「容疑者グループ②」への移行がうますぎた件

『PSYCHO-PASS サイコパス 3』の第5話から第6話は「容疑者グループ」の移行が絶妙でした。

「容疑者グループ」とは、共犯者と疑われるグループのことです。

例えば、第5話では、トーリ、テレーザ、オブライエン、アウマの4人が共犯関係にあると考えられていました。

ここでは、この関係を「容疑者グループ①」と呼ぶことにします。

しかし、難民保護グループの記念品である「時計」の存在によって、この「容疑者グループ①」の関係性は覆りましたよね。

テレーザ、オブライエン、アウマ、仁世の4名が同じ時計を配られていたことから、新たに「容疑者グループ②」の存在が判明。「容疑者グループ②」が、かつて立てた計画を何者か(トーリ)が、利用することで今回の連続自爆事件が引き起こされていたのです。

つまり、ここで行なわれているミスリードは何かというと、序盤は「容疑者グループ①」の関係性を怪しく見せておき、本当につながっていたのは「容疑者グループ②」のほうだったというもの。実際、第5話の時点で「容疑者グループ①」のことは意識できても、仁世が入っている「容疑者グループ②」の存在に気づけた視聴者は少なかったと思います。

「共通項の提示」による「グルーピング」の強化

では、なぜ視聴者は、第5話の時点で「容疑者グループ②」の繋がりに気づけなかったのでしょうか?

そこには、「グルーピング」と「共通項の提示」が関係しています。

まず、「容疑者グループ①」の人物が共犯関係に見えたのは、「ニュータウンでの自爆事件で生き残ったから」という理由が考えられます。「生き残った」という点で、彼らは共通していますからね。これが、初期段階のグルーピングです。

共通項を見出すと、そこに関連性を見出してしまうのが人間の心理というもので、視聴者は「生き残った」という共通項をもとに、彼らの関係性および事件との関連性を考えるようになります。

第5話の終盤では、テレーザの教会からデータファイルが見つかりました。そこには、トーリ、テレーザ、オブライエン、アウマの4名が「密輸の共犯関係にあったのではないか?」と疑うような情報が記録されていました。ここでも「共通項の提示」が行われています。

つまり、自爆事件で生き残ったという「共通項」を示された時点で、トーリ、テレーザ、オブライエン、アウマ、4名の関係性を疑い始めていた視聴者は、データファイルに残されていた、彼らの新たな「共通項」を示されたことで、さらに「容疑者グループ①」の人物同士の結びつきが強いものであると考えるようになるわけです。

 「共通項の提示」による「グルーピング」の強化。これにより「容疑者グループ①」の関係性を強く意識することになる仕組みですね。

第5話から第6話の中盤まで「容疑者グループ①」に関する「共通項」が多く提示され、視聴者のなかでグルーピングが強化されてしまったために、「容疑者グループ②」の存在を意識することができなかったのです。

「容疑者グループ①」の情報を増やし、「容疑者グループ②」の情報を抑えることによって、視聴者の意識を「容疑者グループ②」から逸らし、「容疑者グループ①」に向けさせることに成功しています。

「共通項の情報量」をコントロールすれば観客をミスリードできる 

第6話の中盤以降から、「容疑者グループ①」の関係性に矛盾が出てきます。

例えば、アウマ上人が命を落とし、隠していたアサルトライフルのボルトが発見された次のシーンで、ヘブンズリープへ潜入した炯たちはトーリがボルトを大量に集めていた事実を知るというシーンが映されます。また、炯たちが、潜在犯を植物状態にする「エターナルホワイト」の治療について知ると、灼たちも同じように植物状態になったフラナガンを発見します。

このシーンは一見すると「容疑者グループ①」の共通項を提示しているだけに見えますが、実はわずかに「矛盾」を仕込んでいます。

まず、「ボルトを持っている」という点において、アウマ上人とトーリは共通していますよね。しかし、共通しているのに、アウマ上人は死んでいます。もし、「容疑者グループ①」が共犯関係だとしたら、アウマ上人の死は、矛盾しますよね。

エターナルホワイトについても同様にいえる話で、「植物状態の人間を抱えている」という点において、テレーザとトーリは共通しています。ですが、テレーザはわざとエターナルホワイトの存在をばらすように、灼たちをフラナガンがいる場所に呼び出しました。これも「容疑者グループ①」が共犯関係にあると考えた場合、矛盾する要素になりますよね。

「共通項」を提示しつつ、そこに「矛盾」を入れることにより、徐々に「容疑者グループ①」に対する違和感を持たせているものと推測されます。

少しずつ「容疑者グループ①」に違和感を持たせたのち、「時計」という決定的な手掛かりを提示することで、「容疑者グループ①」の共犯関係が破綻。代わりに、トーリを除き、仁世を加えた「容疑者グループ②」という新たな共犯関係が浮上するわけです。

つまり、まとめると以下のような流れで、話が組まれているものと推察されます。

  1. 「共通項の提示」によって「容疑者グループ①」というグルーピングが発生する
  2. 「共通項の提示」をしながら「矛盾」を入れ込み、「容疑者グループ①」への違和感を持たせる
  3. 新たな手掛かりの発見により、「容疑者グループ①」という共犯関係が破綻し、「容疑者グループ②」という新たな共犯関係が浮上する

こうして考えると、本当に緻密な脚本ですよね。

 

ここで注目しておきたいのは、「共通項」の情報量が変化しているという点です。

 

おそらく第5話は、

「容疑者グループ①」>「容疑者グループ②」

それが、第6話の終盤から第7話以降には、

「容疑者グループ①」<「容疑者グループ②」

という形で、共通項をあらわす情報量が変化しているものと考えられます。

 

第5話は「容疑者グループ①」の共通項のほうが、「容疑者グループ②」の共通項よりも多く提示されていたはずです。ゆえに、共通項の多い「容疑者グループ①」のほうが事件との関連性が高いと判断し、視聴者はミスリードされてしまったのです。

ですが、時計の発見を機に共通項の情報量が変化し、容疑者グループ②に焦点がいくようになります。共通項の情報量をコントロールすることによって、観るものの関心を一定の方向に操作することが可能になるわけですね。

『PSYCHO-PASS サイコパス 3』第6話の感想&考察③ 映像で真実を見せ、セリフでミスリードする方法

見出しにあるとおり、「映像で真実を見せ、セリフでミスリードする」手法が、『PSYCHO-PASS サイコパス 3』の第5話から第6話で確認できましたね。これが、どういう意味なのか以下に説明していきます。

 

まず、第6話では、「時計」の発見を機に、仁世を含む「容疑者グループ②(テレーザ、オブライエン、アウマ、仁世)」の関係性が浮上しました。しかし、すでに触れたように、多くの視聴者は第5話の時点で「容疑者グループ①(トーリ、テレーザ、オブライエン、アウマ)」が共犯関係にあるはずだと思い込まされていましたよね。

こうして、ミスリードされてしまった要因の1つに、「推理台詞」が関係しているものと考えられます。

今回も刑事課一係の面々が事件について、あれこれ推理していたと思います。こうした「推理台詞」には、2つの機能があります。1つが「状況整理」、もう1つが「ミスリード」です。

「状況整理」は誰でも分かると思います。第6話でも灼が、「情報を整理しましょう」と言っていましたからね。つまり、これまで起こった事件と、これまで集めた手がかりについて、いったん整理するために「推理台詞」が必要になることがあるわけです。

一方、「ミスリード」のために、「推理台詞」が使われることも多いです。『PSYCHO-PASS サイコパス 3』に限らず、『名探偵コナン』や『相棒』などミステリーものには、この「ミスリードのためのセリフ」がよく使われています。

間違った推理をして観客を真相から遠ざけるセリフですね。例えば、第5話では、トーリ、テレーザ、オブライエン、アウマの4名が、共犯して密貿易を行っているのではないか?というような推理が展開されていました。これは、明らかにミスリードのための推理台詞ですよね。

ほかにも、第5話でオブライエンの病室が襲撃されたとき、炯は「殺害されたオブライエン」という発言をしていました。しかし、実際は生きていたので、これも視聴者を真相から遠ざけるためのセリフと考えられます。

 

ここで重要なのが、真相を握る「時計」は、第5話にもしっかり登場していたという点です。テレーザ、オブライエン、アウマが同じ時計を所有している様子は映像としては捉えられていました。

ですが、ポイントなのは、映像として映っていただけというところ。その時計について、詳しく説明や考察はされませんでしたよね。絵として捉えていただけなんです。

それはオブライエンの腕に関しても同じです。「殺害された」とは言いつつも、実は腕しか映していません。ゆえに、セリフでは「殺害された」と断言していても、映像的には「生きている」可能性が示唆されていたわけですよね。

つまり、セリフは往々にして観客をミスリードさせる装置になるのですが、反対に真相は映像としてサラッと映すだけで詳しくは語られないため、見逃してしまうわけです。

基本的に、視聴者はセリフのほうに思考を引っ張られるので、セリフのない映像を見逃し、逆に間違ったセリフを参考にして推理するためミスリードされてしまうわけです。

時計の映像は出ても、時計が何なのかは深掘りしない。オブライエンの腕が発見されても、腕以外がどうなったのかは語られない。逆に、間違った推理については、たくさん語られる。このように「映像で真実を見せ、セリフでミスリードする」手法が、第5話から第6話ではかなり際立ったなという印象があります。

映像ならではのトリックですよね。言葉で触れてなくても、映像では確かに見ているので、視聴者も記憶はしている。なので、あとから「実はこうでした」と種明かしをされたときに、「あ、そういえば、そんなのあった!」と驚くことになるわけです。

匠の技ですねぇ。

『PSYCHO-PASS サイコパス 3』第6話の感想&考察のまとめ


TVアニメ「PSYCHO-PASS サイコパス 3」ノンクレジットED

久々にブログを更新しましたが、書いてみると楽しいもんですね。

さて、最後に『PSYCHO-PASS サイコパス 3』第6話で気づいたポイントをまとめておこうと思います。

  • 「推進派」と「反対派」という二項対立を使ってミスリードしている
  • 「容疑者グループ①」→「容疑者グループ②」への移行がうますぎた
  • 共通項を見出すと、そこに関連性を見出してしまうのが人間の心理
  •  「共通項の提示」によって「グルーピング」を強化することができる
  • 共通項の情報量をコントロールすることによって、観るものの関心を一定の方向に操作することが可能になる
  • 「推理台詞」には、「状況整理」と「ミスリード」の機能がある
  • セリフは往々にして観客をミスリードさせる装置になるのが、反対に真相は映像としてサラッと映すだけで詳しくは語られないため、見逃してしまう
  • 映像で真実を見せ、セリフでミスリードする

情報量を操作することによって、ミスリードが可能になるという考え方はかなり汎用性が高いと思われますので、創作者の皆様はぜひ活用してみてください。

例えば、「A」という真相があるとき、「A」を隠し「B」という間違った推理へ観客を導くためには、まずは「B」と「B」に関連する情報を増やしていき、観客に「B」こそが重要であることを意識させる。

そのうえで、「A」についても、さりげなく背景やちょっとした人物の仕草、日常場面でのセリフで描いておき、詳細は伏せておく。

こうして「B」にミスリードさせたのちに、伏せておいた「A」の情報を開示して真相を語れば、ミスリードしつつも、納得のいく展開が作れるかと思います。

 

はい、では、今回はこのくらいでお開きにしましょう。

この記事を少しでも面白いと思っていただけたら、シェアしていただけると嬉しいです!

それでは、次回のレビューでお会いしましょう。さようなら~~(^o^)/

 

  • 『PSYCHO-PASS サイコパス』の関連記事については、以下をご覧ください。

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